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第1章 DAGGER 戦場の最前点

コミティアお疲れ様でした。トロワルです。コミティアでは基本、イラスト集なんかを買ったりしていたのですが、久々に同人ゲームを買ったのでレビューしていきます。


BLACK GAMERさん作の
第1章 DAGGER 戦場の最前点
です。DAGGERというシリーズの一作目で、ファンタジー系サウンドノベルです。


先にざっくりとした感想だけ述べると、作品としては面白かったですが、商品としては不足しているものが多かったです。


物語は、傭兵を志望していたが、非力故に奴隷として売られそうになっていた少女を、通りがかりの主人公が助けるところから始まります。そして、主人公はその少女と暮らしながら、彼が持っている戦いの技術を、その少女に教えていくこととなります。


出だしは大体こんな感じです。文章がかなり読みやすく、キャラクターにも非常に愛着を持って書いていることが伝わります。キャラクターの視点が切り替わるごとに、さっとそのキャラのイラストが入るのも、読む側にとっては非常にとっつきやすく非常に好印象でした。


なので、作品としては結構好きで、食事のことを忘れて読むくらいだったんですが、商品として評価するとなると、また勝手が違います。


第一にまず、キャッチコピーがわかりづらい。BLACK GAMERさんから直接このゲームがどういう話かを教えて頂いたのですが、「最強の主人公と最弱の少女との対比」が、非常に伝わり辛かったです。なにゆえに最強で、なにゆえに最弱で、その二人がどうして出会い、どういう世界観の中で、どうなっていくのか。

商品として見た場合、読んでみたいと思われるものでなければ、そもそも手にとってもらえませんし、一番作品の魅力を知っているのはやはり作者だと思うので、もっとこの作品がどう面白いのかを伝えて欲しかったです。

第二に、世界観に対する説明不足が目立ちます。キャラクターに対する愛が多すぎて、キャラ自体が生き生きとしているのに、どういう世界の中にキャラクターが生きているかを説明する、背景となる情報がかなり少ないのです。端的に言ってしまえば、ファンタジーノベルにおけるファンタジー分が足りていない。世界観が構築されていないと、読み手がそこに浸れません。お話がトントン拍子に進むので、気がつくとあっという間に取り残されてしまいます。これが非常にもったいない。折角お話は面白いのに。


これが、フリーゲームだったらまた違ったと思うんですよね。そもそも読みたい人が読む、やりたい人がやるものだから、より作品としての評価は高くなると思うんです。そういう意味では、フリーゲーム向きな気がします。


ふと、昔、ハリーポッターを読んでいた時、話の続きが気になってしまって、夢中でページをめくっていった感覚を思い出しました。お話の中身を変えるとかではなく、うまく演出するだけで、先が気になって仕方がない!と感じるようなお話になるのではないかなと。

書くために書くのか。
読むために書くのか。

そこの違いはかなり大きいですね。